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――ピーンポーン。

結局私は掃除機を使えずいつものコロコロで掃除をした。そしてお昼過ぎに家のインターホンが鳴り、私はすぐに玄関のドアを開けた。


「志穂いらっしゃい」

「もう、一応私だって確かめてからカギ開けなきゃダメだよ?」

「あ、だよね」

志穂は白いロングのワンピースを着ていた。いつも洋服も可愛くてオシャレだし、変な男にナンパされないか心配になるよ。


「さっきお昼ごはんカップラーメンしかないって言ってたから駅前のサンドイッチ屋さんで葉月の好きそうなの買ってきたよ」

「わぁ!本当?ありがとう」

志穂はキラキラとしたサンダルを綺麗に揃えて「お邪魔します」と家に上がった。


「あとケーキも買ってきた。あとで食べようね」
「うんうん♪」

ああ、幸せ。

志穂といると癒されるしなにより和む。小さい頃から一緒なのに喧嘩もしたことがないし前世は姉妹だったりして?もちろん志穂がお姉ちゃん。


「あ、ゆづくん。こんにちは」

リビングに入る寸前、洗面所からちょうど結月が顔を洗って出てきた。あのあと結月は二度寝をしたらしく起きたのはつい5分前。


「……どうも」

「学校以外で会うのは久しぶりだよね。学校にはもう慣れた?担任の栗原先生怒ると怖いでしょ?」


言われてみれば志穂と結月が喋ってるのって久しぶりかも。

あんなに3人でよく遊んでたのに成長とともに結月が離れていって、結局話しかけてもこうして一言しか結月は返さない。


「はいはい、もういいでしょ。早くサンドイッチ食べようよ~」

「わ、葉月?」

私はふたりの会話を遮って志穂の背中を押した。