……寝てる姿なんて初めて見たけど、寝顔までイケメンとかズルいな……じゃなくて!
心配して、様子を見ててくれたんだろうか。
だとしたらありがたいけど、寝顔とか見られていたんだと思うと少し恥ずかしい。
いや、そんなことよりもだ。
「識嶋さん」
私は彼の名を呼んで、意識の覚醒を促す。
そうすれば、識嶋さんは僅かに眉根を寄せ、ゆっくりと瞼を開いた。
「……ああ、起きたのか。熱は?」
「さっきよりも下がってる感じがします。それより、ついててくれてありがとうございます」
「別に。ただ、倒れられても困るし、仕事にも支障が出るからな」
仕事を理由にされたけど、それだけじゃないのはもうわかってるから頭にはこない。
だから私も彼に心配だと告げる。
長くそばにいては風邪がうつってしまうと。
すると識嶋さんは、立ち上がって。
「弱ってる者を放ることはクズのやることだろ」
それだけ言い残して、部屋を出て行った。



