「……すみません、生意気言って」
あまりしつこくしても良くないしと、話を終わらせる為に謝罪の言葉を口にし、ペットボトルを手に退散しようとした瞬間。
──ぐらりと、視界が回るような感覚に襲われて。
バランスを崩しペットボトルが手から滑り落ち床に転がると、識嶋さんが顔を上げてこちらを見た。
そして、ほんの少し眉を寄せると「具合が悪いのか?」と尋ねる。
「少し疲れてるのと寝不足なだけです」
昨日はストーカーのメールがしつこく深夜まで続き、振り回されていた。
明日は会社も休みだし、今夜はスマホの電源を落として寝よう。
疲れとだるさを取らなくちゃ。
「確か、お前は今六本ほど受けているんだったか」
「あ……はい」
……驚いた。
私が現在受けている仕事の数を把握していたなんて。
まさか、他のプランナーのも知ってるのかな。
落としたペットボトルを拾いながら考えていると。
「無理して体調を崩すくらいなら今後は少し減らせ。俺のことにかまってないで自分の体を気にしろ」
ごもっともとな意見が飛んできた。



