「不束者ですが、よろしくお願いします」 答えは当然、このひとつだけ。 識嶋さんの手が私に向かって伸ばされる。 「帰るぞ」 「はい」 淡く星が光る夜空の下でその手を握れば、自然と絡まる2人の指。 これからは、ここが私の帰る家。 居候ではなく、彼の恋人として。 そして近い未来……妻として。 苦くて甘い、愛する人のいる、私が新しく帰る場所。 「ただいま」 そして、改めてよろしくね。 FIN