「そっかー、まだ早いかもだけどおめでとう」

「本当に、まだ本格的な話はこれからなのよ?」

「優花ちゃんなら決まっちゃうでしょ。おめでとうは間違いなしだよ」


そう告げると、優花ちゃんはまた嬉しそうに微笑んでありがとうと言った。

それから、こんなデザインが素敵だとか、ずっと指輪をつけておくならシンプルな方がいいのかなとか、店員さんの話を参考に色々と話して。

お店を出た私たちはまた少し歩き何件か他の店を見てまわりながら話をした。

結婚というきっかけがあったから話題は恋が中心。

そして、それは休憩で訪れたカフェでも続いていた。


「美織ちゃんには孝太郎先輩みたいな人が似合いそう」


今度は私の話がメインとなっていて、優花ちゃんは私にそんなことを言い出した。

正直、相馬先輩を恋愛対象に入れたことがなく、そんな目で見たこともないのでちょっと驚きだ。


「ごめんなさい、なんだか話の順序間違えちゃった。美織ちゃん、付き合ってる人は?」


無邪気に口にされた質問に、私は答えを迷う。