「さて、作戦を始めようか」

工場の裏口に四人は集まっていた。

「俺達恩田グループが上を」

「宮川グループは下を攻撃…」

「じゃぁ、派手に行きますか!」

恩田がドアを蹴り飛ばす。
同時に残りの三人が煙幕を投げ込む。

「また、会おう!」

煙の奥から銃声と共に声がした。

恩田達は直ぐ横の階段を昇り始める。

一部屋ずつ見て回ると言うクリアリングという作戦だ。

工場に「クリア!」の声が響く。
恐らく感覚が麻痺してるのだろう。
恐怖は感じ無かった。

二階をほぼ制覇して、いよいよ最後の部屋になった。
前木がドアを開ける。

中に入ると一人の男が座っていた。

「…?」

警戒しながらも恩田は近づいた。

「恩田に前木だな?」

「…何故知ってる?」

「恩田とは初対面だが、前木とは一回会ってるが…」

「え?…あ!あの時逃がしてくれた奴だ!」

「無事に逃げられたみたいだな」

「何故逃がしてくれたんだ?」