「すいません。」 と謝ると「いやそこまで…」と口ごもった先生はまたくせ毛の頭をぽりっとかいた。 先生が来てから 音に敏感になったのか 聞こえなかった声や音が鼓膜に伝わる 運動部の声 吹奏楽部のロングトーン ボールの転がる音 家路へ向かう女子らのきゃっきゃした甲高い声 ボーっとしてたら気づかない そんな色んな物にピントがあった気がした。