「お前さぁ、サッカー頑張ってるらしいじゃん。」
「はぁ…………んだけd」
「だけど、上手くないって?
大丈夫だよ!
だって、乃木坂、今すごく頑張ってんじゃん。
どーせ、清田に勝ちたいだけだろうが、それが全体の士気を上げる。
それが部活を変えてもしかしたらなにもかも変わってくかもしれない。
先生からのお願いです。
諦めんなよ、それで救われるのはお前だけじゃ無いんだからさ。」
「………………霧山先生のくせに」
そんなこと、言えんのかよ。
ちょっと、嬉しいじゃんか。
「少なくともお前が気にかけてる少女は変化があるかもねー
じゃ、また数学の時間にでも。」
カタリと席をたった男はヒラリと手を振った。
やっと解放されたよ……。
先生はガラガラドアを開けると
ピタリと立ち止まり
「俺の冗談、けっこー本気だから」
そしてまたあの気味悪い声を上げて走り去る。
おい、廊下は走っちゃいけないんだぞ。


