光の向こうへ






「乃木坂、お前。
芹沢のこと、どう思う?」


先生の1言で
なぜか聴覚が鋭敏になった気がした



だって


さっきまで気にもしなかった
時計の秒針。

体が少し動く音さえ

こんなに明確に伝わるから。




んで、
芹沢のこと、どう思うかって?



え~…………

そんなこと、言われても困る


その1言に尽きる。




見た目は浮きに浮きまくった
真面目な感じ。

彼女だけ服装検査が異常に早く終わるし。

あと、勉強は見た目通りすごくできる。




あとはよくわからない。



顔と名前を知ってる程度だ。






だから、


俺は口ごもって曖昧に答えようとしたのに。