「そうなんすか。
って、え?なんで?生徒に?え?」
俺がそう慌てながら訊ねると
「そう動揺するなよ」と俺の肩をパタリと叩いたその男は
「冗談だろ、あほ」
と額にデコピンをする。
お、おい!!!!
「先生やめてくださいよ」
机の下で握った手は汗ばんでいるに違いない。
思いの外心臓も素早く脈打ってるようだ。
先生のこれは天然?
それとも狙ってる?
それはもういつものネクタイのように。
どっちとも取れるからたち悪く、どちらにしろ厄介な人だ。
「ええへ、ごめん。
それでさ」
霧山先生に呆れ果て
逃げ出したいと思ったが
このあとの先生の言葉で
今までのが序の口だったと思い知らされる。


