オフィスを出ると、急に臆病風が吹き荒れる。

鋭い視線を投げてくる女性の強い態度と言葉に必要以上に揺れる。

こんなことなら今夜も彼と会えば良かった。
3回目だと意識するから、変に断ってしまったけどーー。



『ケイは彼に愛されてるんだから、自信を持っていいのよ!』



聖の言葉を思い出し、うん…と強く頷く。


明日こそは大輔さんの胸に飛び込んで、私に飽きないで欲しい…と言おう。


そして、誰も入り込めないくらい、彼との距離を縮めるんだ。