5分程度の話し合いで二人は外から戻ってきた。

さっきと変わらない態度でいる大輔を前にして、ケイちゃんは聞きたくても聞けない雰囲気を出している。





「……ねぇ」


純香が意地悪そうな目をして微笑む。

それに顔を引きつらせたケイちゃんは、真剣な表情で「はい…」と答えた。



「私の大事な幼馴染を守り通してやってよ。でないと貴女のこと、彼女としては絶対に認めてやらないからね!」



爽やかに笑う妹の恋は終わった。


花売り娘の未来が薔薇色である事を、今はとにかく拝むだけだ。



(……合掌)



手を心の中で合わせ、俺は妹の幸せを念じた。








『僧侶と花売り娘』おしまい。