「それで!?」


眉間にシワを集めて聞いた。


「こ…こんな私が側にいたって、だい…すけさんの役には立てないだろうって、お…もってたから……」


シュンと項垂れるくらいなら来るなってカンジ。
呆れるように息を吐いたら目の前の女が顔を上げた。


「で、でも、こんな自分でも、大輔さんは頼ってくれたし…。だから、私も彼を守ろうと思って…」


「守る?」


あんぐり…と口を開けたくなった。
この女に大ちゃんが守れるワケがない。



「あんた、ホントーに大ちゃんが理解できてんの?」


ジリジリと歩み寄ると、上半身が逃げていく。

こんな臆病そうな女に大ちゃんの何がわかるって言うんだ。



あんなガタイいいけど、弱いトコあるって知ってんの?

言葉遣いも荒いけど、根はスゴく優しいんだってことわかる?


お母さんも大切だけど、お父さんのことも忘れられないんだって聞いた?

一枚の写真をずっと、肌身離さず持ち続けてるって知ってる?



「少なくとも私はずっと小さい時から大ちゃんを見てきた。
時間の長さからしたら、あんたの何倍も何十倍も大ちゃんに視線を注いできた。

そんな私よりもあんたの方が大ちゃんを理解してるとは思わない。
あんたのことを彼女だと紹介されても、私は納得なんていかない!」


ずっと片思いだけど、ちっとも振り向いてもらえないけど。