「僕は……君に真心を送りたい」


高鳴る胸の音を聞いていた耳に届いてきた言葉。
「好き」とか「愛している」とか、そういう意味の言葉ではない。


「まごころ?」


漢字に変換するのですら面倒くさく感じる。


「これは僕の亡くなった母が言っていた言葉だ。『愛』と書いて『真心』と読めるような人を好きになりなさい…と」


たった一つだけ習った人付き合いの基本。
社長の眼差しは熱く、そして輝きを増して私の方に向けられていた。