君とのあと5センチメートル















人の
絶望してる顔が好き

そのひとが目に見えて不幸だってわかる
その度俺は幸せなんだなぁって
実感できるから

人が
悲しんで
落ち込んで
そーゆーのが好き

君はいつも楽しそうで
俺は何個胃薬があっても足りないみたい


「今日はね、良いことがあったんだよ」



やだ
そんな顔で笑わないで
俺以外にもしてるのそんな話
皆を不幸にさせてるの?

駄目だよ
君は俺だけに笑いかけて
俺だけに跪いて
俺だけに啼いて俺を幸せにしてよ

ねぇ


「笑わないでよ気持ち悪い」


「ひどいなぁ」


好きだ好きだ好きだ好きだ
その言葉
その苦笑
その全て

もっと顔を歪ませて
もっと凹んで俺に泣きついてよ
懇願してよ平伏してよ



「キモい、早くどっか行け」



「ふふ、そーゆーの大好き」



あぁ、落ちない落ちないキング

ひっくり返したい盤を見て
でも正攻法で君を落としたい



「お前なんか大嫌い」





そう、その顔
まだまだ足らないってくらいの
満面の笑みが
俺を困らせる

でもその
底無しの欲望
可哀想な教育と躾


やっぱり、


君の
絶望してる顔が好き