ビターハートとマリオネット










チリチリと焦げだしたのは
油を注いだ君の心

今までにないくらい怒ってる君の
心臓は早く
汗ばむ肌が服に張り付いて
卑猥だとか思ってるのは多分失礼かな

つり上がった目はその瞳に炎を宿し
拳は鉄より強いに違いない
真っ赤な顔は
僕に恋してるからだったらいいのに


浮き出した僕の心は移ろい行くから
君は怒ったんだと思う
呆れたって言って冷めたら困りはしない
それなのにまだ可能性を賭けてるところが
本当に愛しくて仕方ない

何枚かの写真をテーブルに並べて
君の吸う煙草の香りはほろ苦い
知らないうちに大人の女になった君は
僕の知らない人で緊張しつつ

僕は君に微笑んだけど
駄目みたい

体なんて脆いからさ
心なんて見えないからさ

どっちで繋いでも関係ってのは
儚く崩れてくのは何故だろう
どうしてこうも繰り返すんだろう


「この女、誰?」

ふふふ、
わからない
全然思い出せないんだ
お酒のせいかな?


いいや
そんなんじゃないさ
もともとそうなんだ
いつのまにか変わっていた


「ごめんね」

声で、手で
誰かを適当に乱れさせて
このステージ踊らせて演劇はいつも波乱

泣き出す君の燃えだした火は消えて
戻ってきた吐き気と目眩


「許さなくていいよ」


「ばか」


冷めきったんだ
彼女も君も変わらないから


「見えなくなって
聞こえなくなって
触れられなくなって
感じられなくなったらどうしよう」


唐突なこの問いは結構真剣なんで
答えてくれることを願います


「そんなの。
何が失ってもずっと好きよ」





ほら、これ
これだよ

野性的で本能剥き出しの
熱い言葉

スポットライトが当たりすぎて
体温が上がってったのかな
なににしろこんなんじゃ駄目なんだ


「ごめんね別れようか」



同じものなんかいらない
ありふれたものなんか欲しくない



唯一無二

それを追って
僕は生きてる


それ以外には興味ないんだ