灰澤さんが守ろうとする自分にはどんな灰澤さんがいるのだろうか。 鞄を持つ手と顔にあてられた手を掴む。 「その他は俺にくれるなり、捨てるなり燃やすなり、どうにかしてください」 「……矢敷さんにあげたらどうなるの?」 「そうだね、まず灰澤さんのトラウマを作った奴らを全員に一筆書かせるところかな」 泣きそうに歪んだ顔が見える。 それから、眉を八の字にして笑った。 「流石、経理の鬼」 「それって褒め言葉ですか?」 「褒め言葉です。なんか笑ったらお腹空いてきました」