「……はぁ…」


……ため息をつきながら、わたしはひとりで
トボトボとお家へ向かう。


…すると、そのとき。


「……あれ?」


…不意に、見覚えのある女の人が
ベンチに座っていた。


「もしかして……美優さん?」


気付けば、わたしは美優さんに
声をかけていた。


「…実月ちゃん…!?学校祭ぶりだね…!」


……そう言って、美優さんは微笑むけど…


その目元は、少し腫れていて
わたしには…無理して笑っているようにも見えた。


そして……


『………別れたんだよね、ちょうど昨日』


……先ほど、
航くんが言っていた言葉を思い出す。