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日曜日、私は待ち合わせの為に最寄りの駅前にいる。

ネイビーのギンガムチェックのシャツをふんわり白スカートの中にインして、ガーリースタイルで決めてみた。


今日は自分なりにお洒落してみたんだけど、どうだろう。

駅前のガラスウインドウに映る自分の姿をもう一度見つめる。

「よし、大丈夫」


下ろしている黒髪をサイドに流して、私は意気込んだ。

なぜこんな所にいるかというと……遡ること3日前。

仲直りした私と一護は、一護に誘われてお互いが好きなスピグラのhiroの出ている映画を見に行く事になったのだ。


ーーーー別に、デートじゃない。

それは分かってるつもりなのに、それを錯覚してしまいそうだった。


楽しみでもあるのに、紗枝の事が頭をよぎる。

ううん、一護に会いに行くのは、あくまで趣味が合ったから。だから、一護に会いたいわけじゃない。


そんな事を考えていると、胸がもやもやとして、俯いてしまっていた。