私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



言葉も、笑顔も、全てが嘘。

「一体何が本物なの……」

偽りばかりの私に、唯一残るもの。
それは、私の中にある、キミへの想いだ。


「そう、いつでも……消えない」

………ドカッと居座って、憎らしいほどの存在感を放つ。

この気持ちは、嫌になるほど私に訴える。
…………切なくなるほどに、キミが好きだって。


「痛いな……」


私は胸を押さえて、机につっ伏す。
そして、顔を横に向けると、目から涙が流れる。

ズキズキと痛み始める胸から、気をそらすように、瞼を閉じる。

そして、静かになった空気の中に、グラウンドで騒ぐ生徒達の声が聞こえた。


「ん……」


それが、いつしか、子守唄に変わって、私を眠りへと誘う。


目が覚めたら、想いは消せなくても、せめてこの痛みと悲しみが、消えていますように……。


音が遠くなり、風が私の髪を撫でると、自然に眠りへと落ちていった。