「宮野と親睦を深めてるんだって。ほら、席変わって、一護も南も、2人で盛り上がってたし、その隙に俺が付け入ろうとしてんだ」
「東野くん……」
まさか、遠まわしに私の気持ちを代弁してくれた?
でも、その言い方だと、東野くんが悪役になっちゃうじゃん…。
「なっ……コイツは、俺と話せなくても何とも思わねーし。むしろ、喜んでんだろ」
「っ………」
東野くんの気遣いに軽くなった心が、一護の一言にズンッと沈む。
なんとも思わないなんて……そんなわけないのに。
私は、考えたくなくたって、呼吸をするように一護のことを考えちゃうのに…。
「一護くんと椿が仲悪いのは、いつものことだもんね」
「そ、そうだよ、紗枝の言う通りだ」
沙耶の言葉に納得する一護。
それを見ていた東野くんは探る様に一護の顔をのぞき込む。
「いや、一護、本気でそんな事思ってないだろ?」
「は!?」
「さっきからチラチラ俺等の事見てたし、今も目が泳ぎまくってる!」
……え??
一護が、私たちの事を気にしてた?
そんな、どうして…?
私が誰と話そうと、関係なさそうだったのに。