「でもまぁ、宮野が一番分かってんだろうな。わざわざ言ったりしてごめん」
優しく、それでいてあやすように東野くんの手が、私の頭に伸びる。
そして、それが私に触れようとした瞬間ー。
「東野」
「え?」
東野くんの手が、誰かに呼び止められて止まる。
振り返れば、後ろの席の一護が、あの不機嫌な顔で東野くんを睨んでいた。
一護……??
「何してんだよ」
「何って……」
東野くんは言いかけて、一瞬、私をチラッと私を見る。
東野くん、なんて言うつもりなんだろう…。
不安になって、東野くんを見ると、東野くんは、安心させるように「大丈夫だって」と、笑った。
それを見ていた一護はさらに眉間にシワを深くする。