私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「忘れたくたって、戻りたくたって……無理なんだよ…」

「椿……?」

2人だけが、私の本当の気持ちを知らない。
私だけが、苦しんでる!!


「自分勝手だって、分かってる……」


私だけが、いなくなれば全部丸く収まるって事も、分かってる……。

でも、でも……っ。
好きなんだから、しょうがないじゃない……っ。

いよいよ涙が滲んで、目じりから頬に伝う。


「お前……泣いて…」

一護が目を見張ったのが見えた。

見られた、こんな弱い私、知られたくなんてなかったのに。汚い、私だけがいつも、自分のことばかり。


「………私、教室戻る」


耐えられなくなって、体を起こすと、屋上の扉へ歩き出した。すると、「待てよ!!」と手首を掴まれる。