私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



ふと、目を開けると、一護が私を見ていることに気づいた。
横になったまま、視線が交わる。


時が止まったかのように、長い間見つめあった気がした。


「………気のせいじゃねーよ」

「だったとして、一護には関係ないと思うけど…」

「なんでそんな言い方しか出来ねーの?俺は、お前と前みたいに…」

「前みたいにって、何?」


それは、私が一護に対して、好きとか、そういう想いを抱きながらも、友達を続けていた時のこと?


私の気持ちを、一護は無かったことにしたいの?
この恋心さえ捨てれば、一護はそれでいいの?


「私は……もう後戻り出来ないの」

「おい、何の話だよ?」


声が震える私を、一護が少しだけ体を起こして、戸惑ったように見下ろす。