「私は……一護が好き、だから……瑞希先輩の気持ちには、答えられません……」


「……ありがとう、椿ちゃんの気持ちが聞けて良かった。言うのは……辛かったはずなのに」


どこまでも……私の心配をして……。

そんな先輩を想えない事に、胸が痛むけど…それでも、私達は前に進まなきゃいけない。


「瑞希先輩、辛いのに、傍にいてくれて本当に…本当に、ありがとうございました。誰よりも、瑞希先輩の幸せを願ってます」


「うん、俺も……。誰よりも、椿ちゃんの幸せを願ってる」


笑みを向けあって、私は初めて瑞希先輩の瞳が潤んでいることに気づいた。


あぁ、そうか……。

瑞希先輩も、きっとその笑顔の裏に優しくて悲しい嘘を秘めてたんだ。


星々の輝くこの空の下、瑞希先輩の晴れ晴れとした顔に、なぜだか私まで救われた気がした。