私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



「な……椿が…俺を…?」

「出会った瞬間、一目惚れしたの」

「!!」

ヒラヒラと舞う桜、温かい風……。
初恋を知ったあの春のことを、昨日の事のように思い出せる。


「だから、一護に好きな人が出来たって聞いた時……泣きたくなるくらい辛かった……」

「っ……椿……」


まるで、訪れた春が唐突に終わり、凍えるような冬がやって来たかのようだった。


「紗枝からも……一護が好きだって聞いた時、もう……私の心は壊れてたのかもしれない…」


2人が両思いだった。
それを、私が一番祝福しなきゃいけなかったのに…。


ーーー辛い、悲しい、羨ましい。
私には得られないものを2人は得ようとしている。

そう、想い、想われる幸せを。