私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「大切にしたいのに、どうして傷つけちゃうんだろう…」


私は、自嘲的な笑みを浮かべて俯く。
そして、地面についた手をグッと握った。


「何だよそれ……椿、何があったんだよ、本当に…」

「……………」

「俺は、お前に何かしてやりたいって思うのに、いつも……言い合いになっちまう…」


一護が、震える手で私の手の甲に触れる。
その手に、雫が落ちているのに気づいた。


「いち……ご……」

「傷つけたくないのに、傷つける……」


一護が……泣いてる。
どうして、私と同じことを言うんだろう。

ううん、もしかして、紗枝も同じ……?

私達は、大切にしたいと思うほど、傷つけあってる。
守り方も、優しさも、正しい方法が分からないんだ……。