私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



「椿の馬鹿……椿なんてっ、大嫌いっ!!」


そう言って、踵を返す紗枝。
そのまま駆け出して、遠ざかっていく親友の背中。


「……どう、して………」


大嫌い………。

大好きな親友が、私を大嫌いだと言った。
ぜったいに人を悪く言わない紗枝が、私を…っ。


涙が、ハラハラと流れ、その場に崩れ落ちる。


「私……そこまで紗枝を傷つけた……っ」


私の嘘が上手くなかったから?


どうして、傷つけたくなんか無かったのに…。
泣かせたくなんか無かったのに……。


「紗枝の、欲しい言葉が分からない……」


私のせいで、紗枝を……苦しめてる。

絶望して、私は涙を拭う事もせずに、廊下のど真ん中でひたすら泣いた。


すると、カツンッと足音が私の後ろで止まるのに気づく。
振り返れば、そこには………。