私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「大嫌いだよ、一護なんて……っ」

「っ……なら、なんで俺に笑いかけたりなんかしたんだよ!!こんなに…引き返せないくれぇに、俺は……っ」


傷つけてごめんね。
もう、友達にさえ戻れない。

でも、これくらいしないと、私も一護も、紗枝も壊れてしまう。


「もう二度と……っ」

さよなら……私の大好きな人。


「もう二度と、私に関わらないで」

本当に、本気で好きだった。

「っ……なんだよ、それ…。俺だって…俺だって、お前のこと……っ」

「嫌い……でしょ、分かってる。だから、さよならしよう」


踵を返して、一護に背を向ける。

その瞬間に視界がぼやけて、溢れた涙は雨が隠してくれた。

もう、振り向いたりしないから。

ちゃんと……キミのことを忘れるから。


だからね、幸せになって……一護。