私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


「……っはぁ……」

そして、唇を離すと同時に、後ずさった。

俯いて、泣きそうになるのを必死に堪える。


「一護、私は一護が嫌いだよ」

「っ……ならなんで、キスしたんだよ…」


本当は好きだよ、ううん……好きだった。
傷ついても、傍にいたいと願うほどに。


「嫌いになって欲しいからに決まってるじゃん」

「はぁ?何言って……」


ねぇ、だから嘘をつくよ。

キミが私から離れられるように、私がキミから離れられるように。

「いっつも、鬱陶しかったの。関わりたくなかったのに、友達面して話し掛けてきて、迷惑だった」


「っ……そんなの、嘘だろ?」

「っ……本当だよ」


本当だよ、本当に決まってる!!

ーーお願いだから、嘘を見破らないで。

嘘で塗り固めた、私の脆い鎧が壊れないようにまた嘘を重ねていく。