私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「そうじゃねぇって、俺はただ……もう、ひとりで泣いて欲しくねぇんだよ!」


そしてまた、離れた手が繋がれる。

あぁ、この体温が永遠に私の物になればいいのに…。
なのに私は、何もかも失うのが怖くて、嘘をつく。


「………それは、紗枝に言ってあげてよ。一護が好きな人にさ」


離れなくちゃ、離れなくちゃっ。
既に、ひび割れた心が、完全に砕けてしまう前に。


「俺の好きなやつはっ」

「私、瑞希先輩の所へ戻る…」


また甘えてしまう私は、たくさんの人を傷つけてる。

私が一護を好きだから、一護や、紗枝、瑞希先輩を…苦しめてしまうんだ。