私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「一護、焦らなくても大丈夫。紗枝とは上手くいくって」

「は?なんでそこで紗枝が出てくんだよ」


励まそうとかけたはずの言葉は、なぜか一護に不機嫌そうな顔をさせる。


「え?それに悩んでておかしくなっちゃったんじゃないの?」

「ちげーよ!椿の話してんのに、紗枝の事ばっか言ってくるだろ、お前。それにイライラしてんだっつの」


「一護、怒ってたの……?」


意味わからない、何で??

紗枝のことじゃないなら、どうしてそんなに心乱れてるのかが、分からない。


「紗枝とのことで、悩んでるんじゃないの?ふふっ、照れなくてもいいって、話しなら聞くよ」

「だから、違うって言ってんだろ!!」

「えっ……」


ガシッと肩をつかまれて、あまりの勢いに、布団に倒れ込む。私は、一護に押し倒されるような格好で、見つめあっていた。