私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



「大切で、大好きなキミ達を……憎んでしまいそうになるくらい、私は……どんどん汚れてく……」


この想いは、罪だと思いながら、止められず…。
嫉妬して、ひがんで、こんな汚い私なんて……いなくなれ。


留めていた髪留めを外して、サラリと波打つようにクセのついた黒髪が、布団の上に流れる。


今日は、1人で、ここで眠ってしまおうか…。


そんな事を考えながら、ぼんやりとしていると、ガチャンッと扉が開いた。


振り返ると、


「お前、こんな暗闇ん中で何してんだよ」


そこにいたのは一護だった。


私は、夢を見てるのかと思いながら、幻覚でも、会えたことが嬉しいとも思う。


「椿、聞いてんのか?」

傍に寄ってきた一護を、見上げる。

キミが、傍にいる。
ただそれだけの事なのに、嬉しい……っ。


「っ……」

ポロリと、頬を伝った涙を慌てて手で拭った。


「椿、お前泣いて……」


驚いているような、困惑した顔に、私は慌てる。

一護のバカ、なんでこんな時に来るの……っ。