私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



「せめて、椿ちゃんの身を守らせてもらうよ」

「はい、ありがとうございます」

笑みを浮かべると、瑞希先輩が私の頭を撫でる。


「いい笑顔」

「ふふっ、瑞希先輩は不思議です。癒しの力があるみたい」

「それは、嬉しいな」


顔を見合わせて笑っていると、「椿」と一護に名前を呼ばれる。一護の方を見れば、なぜか不敵な笑みを浮かべている。


え、なにあの笑顔……。
ポカーンと見つめていると、指をさされる。


「椿、お前が俺に負けたら、絶対服従な」

「………え、やだよ」

「つまんねぇな、そこは乗れよ」

「どうせ、こき使うつもりなんでしょ、勘弁!私が勝ったら、一護のこと奴隷にするから!」

「望むところだっつの」


一護が、ラケットを構えるのに合わせて、私も構える。


負けてたまるか、絶対勝ってやる!!
これでも、運動は得意な方だ。

なぜかメラメラと闘志を燃やし始める私に、笑う瑞希先輩。

そして、唐突に卓球大会が始まった。