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お風呂から出ると、スマホに着信が入っていた。
確認してみると、瑞希先輩だった事に気づく。
「瑞希先輩だ、どうしたんだろう…」
温泉の暖簾の前で瑞希先輩に連絡をかけると、すぐに『あ、もしもし椿ちゃん?』と先輩が出た。
「瑞希先輩、今どこですか?」
『オレ達卓球やってるんだ、迎えに行くね』
「同じフロアの卓球ルームですか?大丈夫です、そっちに行きますから」
瑞希先輩って、どこまで紳士なんだろう。
迎えにくるだなんて、そんな気を遣わなくていいのに!
この温泉のある階に、卓球ルームあるし、すぐに行ける。
『そう、ごめんね、先に行っちゃって。待ってるよ』
「はい、それじゃあ」
通話を切って、紗枝を振り返ると、話を聞いていたのか、頷いた。
「卓球やってるんだって」
「男子って、そういうの好きだよね。ほら、お風呂の後に牛乳、温泉といえば卓球とか!」
紗枝の一言に確かにと頷く。
紗枝の言ってること、なんか分かるかも。


