私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「別に、紗枝だって普通にあるじゃん」

「Bは普通じゃない!」

「良いんだよ、好きな人がそれでよければ」


たくさんの人に見せて歩くわけじゃないんだし、好きな人はありのままを好きになってくれるはず。


それに、一護ならそんなの気にしないよ。
って……なんか自分で言って辛い。


「んー、でもなぁ〜、女の子としては、辛いの!」

「紗枝は、可愛いから大丈夫!」


紗枝の頭をポンポンと撫でてあげると、紗枝は頬を膨らませながらも、嬉しそうにはにかんだ。



「椿、明日は温泉街見て回るんだよね」

「うん、今日はこのまま休んで、明日は本格的に遊ぶってこと」


今日は部屋でみんなでゲームしたりして、明日は浴衣レンタルで、ぶらり散歩する予定だ。


「一護くんの浴衣、見たいなぁっ」

「あっ………」


そっか、明日一護も浴衣着るんだもんね。

背も高いし、イケメン、モデル体型の一護だもん、うん、絶対に似合う気がする。


でも、楽しみだなんて、思っちゃだめだよね…。
隣で楽しみにしてる紗枝に、罪悪感に苛まれる。

ズキズキとまた痛み出す胸に嫌になる。