私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



「いえ、私は……」

「親友も来るから、気にしちゃう?」

「はい……」


好きな2人が、幸せになってくれたら…なんて綺麗事は言わないけど、2人の間に割り込もうとか、そういうのは嫌だ。


「もし、辛くなったら声かけて」

「え……?」

「また、俺に出来ることならなんでもするよ」


優しく笑う瑞希先輩に、泣きそうになる。
この人の傍にいると、弱くなっていけない。


「ありがとう、ごさいます……っ」

「よしよし、ほら食べようか」


少し冷めたまかないを、2人で食べ始める。


1人ならきっと、ずっと苦しんでたと思う。
ありがとうございます、瑞希先輩…。


瑞希先輩が隣にいてくれることに、本当に感謝した。