私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。



私が今まで通りに接するようになって、一護も普通に接してくれるようになった。

ううん……それ以上に距離が近くなった気がする。
主に、物理的な距離が……。


「今日、一緒に帰るだろ?」

「分かったから、それ以上近づかないで」

「つれねぇの」

「…………」


もう、なんなの……。
余計に、一護のこと、気にかかっちゃうじゃん。

痛くて、それでいて嬉しいなんて……。
私は自分の気持ちがよく分からない。



***


ーバタンッ

「はぁぁっ」


バックルームにやってくると、まかないのカルボナーラを手にため息をついた。


「随分とお疲れだね、椿ちゃん」

そんな私を見て笑う瑞希先輩に、私はコクンッと頷く。


「はい、もうクタクタです……」

「まぁ、とりあえず座ろうか」


このバックルームは、スタッフの控え室にもなっていて、休憩もここで取ってる。

私達はソファーに腰掛けて、まかないを食べ始めた。