私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「そうだな、藍生、俺にもまかないちょうだい。椿ちゃんこれから休憩でしょ、俺もなんだ」

「あっ、はい!」


瑞希先輩と休憩時間が被るなんて、なんかホッとする。隠すものが無いからかな、自然と笑みがこぼれた。


「なんだよ、俺も今休憩入りてぇ」

「一護は、椿ちゃんとずっと一緒だろ?たまには譲ってよ」

「ちぇっ、瑞希先輩がそういうなら、許すっす」


不満そうな一護に、瑞希先輩は苦笑い。

そんな一護に私は歩み寄り、額に手を伸ばす。

そして、「えいっ」とデコピンをかました。


「いってぇー!!」

「瑞希先輩を、困らせないでよ!」

「なんだよ、瑞希先輩の方がいいのかよ!?」

「そりゃ、そうだよ」

「おい……ツラ貸せ、椿」


ジリジリとにじり寄る椿から、私は瑞希先輩の背中に逃げ込む。


あぁ、ここは安全地帯だ…。


「俺じゃダメなのかよ、なぁ、椿」

「な、なにその言い方……」


そんな、含んだ言い方やめてほしい。
特別な意味なんてないくせに、私の心はコロコロと揺れ動く。