「い、痛いっ、何す……」

「椿の食いしん坊、飯食いにバイト来てんのかー?」

「一護……」

私の髪を引ったのは、ニヤニヤと笑う一護だった。
私は軽く睨んで、一護を見上げる。


「じゃあ一護は、藍生先輩のまかないいらないって言っとくね」


そう言って一護の手から逃れると、厨房に走る。


「はぁ!?まじふざけんな椿!!」

「やだねー!」

振り返って笑うと、一護は一瞬目を見張る。


「なっ……お前不意打ち……」

「♪〜」

私は一護を無視して、鼻歌を歌う。


一護が何か言ってたけど、ま、いっか。
なんにしろ、一護とまたこうしてふざけ合えるのが、楽しくてたまらない。


「藍生先輩!」

そして先に厨房に辿り着くと、藍生先輩が「椿ちゃん♡」と手を振ってくる。


「休憩??まかない何にする?腕ふるっちゃうよ〜」

「じゃあ、先輩のパスタがいいです。種類はおまかせで」

「了解、なんか最近明るくなったね、椿ちゃん」

「え?」


藍生先輩が、パスタを鍋に入れながら私の顔をマジマジと、見つめてくる。