ーー私の唇は、嘘つきな唇だ。 本当の気持ちなんて、絶対に伝えたりしない。 天の邪鬼で可愛げのない唇。 「大嫌いだし、一護なんてっ」 そんなの、口から出たでまかせなのに。 気持ちを伝える事は許されないから、私は自分の心さえ騙そうと必死になる。 「あっそ、俺だってお前なんか嫌いだっつーの」 「嫌い」と呟く度に、キミの顔は険しくなって…。 好きな人との距離は、今日も遠い。 私の唇は、今日も好きなキミへ嘘をつく。 その度に心で泣いて、傷ついてる事なんて、きっとキミは知らない。