今日もいつものように起きて、学校に登校した。


その時、配られたプリントには


授業参観日のお知らせ


と書かれていた。



先生は


「親御さんに渡して見て貰うように」


と言っていた。




そして、授業も終わり、帰宅した。



「ただいま」



また、木霊するだけかと思っていた。

けど、今日は少し違った。



「あっ、お帰り、知衛」



そこには、ふんわりとした笑顔した

兄・宏哉がいた。



「知衛、どうしたの?」


「いや、驚いて、居るなんて思わなかったから」


「あれ、母さんに聞いてない。
今日、顔見せに行くって言ってあったんだけど」



最近、全く話してないから、知らなくて当然だよね。



リビングに上がり、一休みすることになった。



「知衛、なにかあった?」


「なにもないよ」


「少し寝不足気味みたいだからさ。
何かあると、寝れなくなるタイプだろ」



お兄ちゃんは、いつも察しがいい。

だから、苦手でもあった。


図星をつかれるとどうして良いのか、分からなくなる。



「大丈夫だよ」


「本当に?」


「うん」


「そっか」



宏兄は、無理に聞いたりしてこない。

僕が話すのを待ってくれている。


その優しさが少し怖い。




そして、夕食の時間になると、皆でひさびさに集まり、ご飯を食べた。


皆、楽しそうにしている――。

けど、僕はご飯を食べ終わり、食器を片付けて自分の部屋に戻った。



楽しそうな声が聞こえる。

僕がいない方がやっぱり良いんだ。



それから、学習机に座り、勉強を始めた。



それから、数時間たった頃。

僕の部屋のドアを叩く音が聞こえた。


「はい」


返事をしてすぐ、ドアが開くと

少し怒った顔のお母さんがたっていた。



「授業参観日のプリント貰ってるでしょ。
早く出して」



言われるがままにプリントを出した。



「貰ってるなら、早く出しなさい。
隠しても、美弥と侑海と一緒の学校何だから、分かるのよ」



別に隠してた訳じゃないんだけど。



「来て欲しくないだろうけど、一応お母さんにも立場があるから――」



そのあと、沢山話していた気がする。

でも、結果的に僕のためじゃあ無いんでしょ。




何かが、心にじゅわりと溶け出した。