2人はポカンとしている。俺だってだ。
タケちゃんは俺の肩をぽん、と叩いて、何故だか自慢気だ。なんでだよ。
イキナリ「お前、今日から部活やれ」何て言われて、逃げたら追いかけられて。しかも、美術部なんて、俺には美的センスの美の字もない。
挙げ句の果てに、どうやらこの部員2名は俺のことを新入部員の女のコだと思っていたらしい。
くっそタケちゃん、本当意味わかんねえよ。なんで俺をこんなとこに連れてきたんだ。
とは言うものの、入部したら、これまでの溜まりに溜まったまだ書いていない反省文を全部チャラにしてくれるって言うんだから、タケちゃんて本当ずるいよな。
でもその代わり、今日から少しは真面目に学校生活を送れ、って。
部活に入ったところで真面目になるかどうかは別として、タケちゃんって実は世話焼きなんだよな。
「じゃあ…自己紹介でもする?」
普通の方の彼女が、恐る恐るそう提案ので、俺は「はあ、」なんて気のない返事をしてしまった。



