「私、絶対仲良くなってみせる!」

「まあ2人も3人も変わらないけどね」


カナは、綺麗な顔立ちとは正反対に言動はとても男らしい。というか、ハッキリしている。

見ての通り、色白で手足も長い完璧なルックスのカナ目当てで美術部に入部したいっていう男子も前は結構居たんだけど、カナが全部断っちゃったんだよね。


「それしても、タケちゃん遅くない?」


二人同時に時計を見る。
時計の針は既に5時を回ろうとしていた。
タケちゃんは、4時半にここへ野上さんを連れてくるって言っていたのに、一向に来る気配がしないじゃないか。


「んー、タケちゃん道に迷っちゃったのかな?」

「そんなわけないでしょ。
私ちょっと探してくる。ミウはここで待ってて」


カナがそう言って席を立つ。
私はお留守番かあ、なんて思いながら机に並べたお菓子をつまみ食いした。


部員が3人になったら、今よりもっと楽しいだろうな。


野上さん、一体どんな子なんだろう。
タケちゃんによると、自分のクラスの子らしいから、一年生だ。

後輩が出来るって、なんだかそわそわするな。だって、私とカナはずっと二人だったから。