「……よかった。野山のその笑顔が見れて、なんだか安心したよ。」

「タケちゃん、本当に……本当に、たくさん、ありがとうね……」

「ははっ、礼を言われることなんてしてないけどな。……でも、こういう瞬間に、教師をやっててよかったなあと思うよ。」


タケちゃんが顧問で、本当によかった。
やっぱり私は、周りの人たちにたくさん支えられて生きてるんだね。今まで気づかなかった分、これからたくさん感謝を返していきたいよ。


「あ、そうだ。準備室を管理してくれてたのもタケちゃんだよね? 作品たちにホコリひとつかぶってないからビックリしちゃったよー。本当にタケちゃんっていい先生だ」

「え?準備室はもうずっと使ってないはずだが……」

「……え?」

「わっ!なんですかコレー!すごい幻想的ロマンチック!」


イキナリ入ってきたアイコちゃんにビックリして私もタケちゃんも思わず振り向く。

目をキラキラさせたアイコちゃんの後ろには、宮瀬くんやカナ、ヤマくんタロくんも続いて入ってくる。


「ちょ、せまいせまい!一気に入ってこないの!」

「だってタケちゃんとミウ先輩全然出てこないから心配になっちゃって」

「ははっ、ちょっと長話しすぎたな」