「来ないとタケちゃんに怒られんだろ」
俺は口を尖らせながらいつもの位置に座る。そして、教室内を見渡す。
美術室は案外広い。
扉を開けて右側は普通教室一部屋分くらいの大きさで、授業用の椅子と机がズラリと並んだ授業スペースになっている。
もう半分の、俺たちがいる左側は、完全に美術部専用のスペースだ。
美術部専用スペースっていっても、誰が置いたのかわからない大きなソファがあるような自由な空間。美術部らしいものはほとんどと言っていいほどない。
あとはダイニングテーブルのようにでかい机と、その周りに丸い椅子がいくつか並んでいる。
ミウとカナは必ずそこに隣同士で座っていて、俺はいつもその向かいに座るんだ。
「タケちゃんに怒られるとか言って、案外楽しいでしょ、美術部。」
「そーだよノガミくん!
美術部のこと、結構気に入ったでしょ?」



