____その日から、俺の美術部員としての生活が始まった。
別にサボってもよかったんだけど、タケちゃんはうるさいし、反省文がチャラになるなら行った方が得策だとわかっていた。
それに、ちっさくて弱々しいミウと、美人でハッキリしているカナ。二人はいつもお菓子をくれて、会話に俺を入れようとしてくるんだ。
まあ、年下だから舐められてるっていうのもあると思うけど。でも素直に、二人が俺のことを気にしていてくれることが、何でか、嬉しかったんだ。
そして今日も。
授業が終わると、俺はそそくさと美術室へやってくる。扉を開けると必ず、ミウが笑って言うんだ。
「今日もちゃんと来たね。」って。



