「今、ボーカルがいねえんだよ」

「歌う人?」

「ああ、チームの顔だよなー。だから、先輩も慎重に探してる」

「へえ…大変だね」


そんなことを話している間にあっという間に降りる駅に着いた。

私たちは電車を降りると、田んぼに囲まれた、細いまっすぐな道を歩いて学校に向かう。


この辺は田舎で割と静かな場所。

でも、あと二駅ほどのところは高いビルやお店などがたくさん並ぶ。


私と理宇が2人で歩いていると、後ろから女子たちの声が聞こえた。