男の子…?

私より白くて細い足、長めの前髪。ぱっと見ると女の子に見える。



綺麗



こんな男子見たことがない




見た目だけじゃなく、その男の子には何か不思議なものを感じた


クラスの男子とはなにか違う雰囲気



!!!




男の子と目があった


やばい、見過ぎた。



なんとなく罰が悪くなって目を逸らした


「ねぇ。」

突然横から声が聞こえた。知らない声。

「ねぇ、あの。あんたなんだけど」

肩を叩かれた。あの男の子だ。

「は、はい」

予想より低くて甘い声。やっぱり男子の声だ。


「俺とどっかで会ったことない?」

「は?」

何それ、意味分かんない

いやあるとしても、え。

「絶対会ったことある。だけど思い出せない」

いや会ったことあったら多分覚えてるよ。印象残るもん…

「ごめんなさい、私は貴方と会ったことはないと思います。人違いじゃないですか?」

ちょっと堅かったかな。ごめん
けどこの不気味な会話を早く終わらせたかったんだ


「人違いじゃないと思う。なんとなくだけど。あ、俺夏目楓真(なつめふうま)。よろしく」

そう言って夏目くんは右手を差し出した。なんて爽やかなやつだ。

「わ、私は新山さら。よろしく…」

握手なんてしたことない。

なんとなく照れくさくなってもじもじしてしまった


「よろしく、新山!」

見かけによらず案外体育系なんだ

夏目くんは、私の手をがっちり掴んでにっと笑った