夏の日、僕は君の運命を変える







放課後。

教室掃除が終わるのを見計らい、わたしは誰もいなくなった真っ暗な教室の電気を点けた。

自分の席に座り、窓の外の景色を眺めた。

綺麗な、茜色の空。



「……綺麗だね」

「希和」



いつの間にか入ってきていた希和は、わたしの前の席に座って同じよう空を眺めていた。

本来希和の席はもっと前だけど、わたしがこの席だからと前の席に座っていた。



「ありがとう、ラインくれて。
あたしも本当は話したいと思っていたんだ。
機会くれて、ありがとう」

「わたしも話したかったから。
それより希和、今日部活じゃなかったっけ?」



希和から返事が来た後気付いたのだが、すぐにチャイムが鳴ってしまい、送れなかった。

サボらせるような真似を、と思っていたが希和は笑った。



「良いの。優先順位考えないとね」

「優先順位…」

「心と話す方が、マネの仕事より重要だよ。
あ、これ部員には内緒ね」

「わかってるよ」



わたしたちは笑い合ってから、わたしから切り出した。



「ごめん希和、裏切り者なんて言っちゃって。
わたしだっておあいこだったんだ」

「気にしていないよ、だって本当のことだし。
でも、おあいこって何?」




わたしはポケットから、黒のスマートフォンを取り出した。